日本遺産 北海道の「心臓」と呼ばれたまち・小樽
2025年2月、小樽は「北海道の『心臓』と呼ばれたまち」として、文化庁により日本遺産に認定されました。
明治以降、小樽は港と鉄道という二つの大動脈によって急速に発展し、北日本を代表する商業都市となりました。この繁栄は、未来を信じて行動した人々の「民の力」に支えられたものでした。作家・小林多喜二が“小樽は北海道の『心臓』だ”と表現したこのまちには、数多くの歴史遺産が生まれ、今もその面影を残しています。
しかし、高度経済成長期を迎えると、小樽は次第にその活気を失っていきます。やがて、荒廃した小樽運河の埋め立て計画が浮上しますが、市民たちは再び「民の力」で立ち上がり、忘れられた遺産を保存し、再生の道を選びました。
今の小樽には、重厚な銀行建築や倉庫、再びにぎわいを見せる運河など、近代日本の歴史を今に伝える風景が広がっています。路地の一角に、港の岸辺に、そして市民の暮らしのなかに、小樽の物語は息づいています。
構成文化財
この日本遺産のストーリーを支える26の文化財をご紹介します。